アジア選手権 日本代表選考
今秋(11月)、台湾で開催される第7回アジアソフトテニス選手権(4年毎の開催)の日本代表を決める選抜大会が明日5月3日より三日間にわたり大阪市靫コートにて開催される。
アジア選手権の日本代表は男女ぞれぞれ6人。そのうち2人づつがこの選抜大会で決定(残りはナショナルチームより数度の合宿をへて選抜)。すなわち男女それぞれの優勝者が自動的に代表になる。選手が自力で代表権を獲得できるのはこの大会のみであり、当然、激しい試合が予想される。
靫コートのサーフェースはハード。日本でハードコートの大きなトーナメントが開催されるのは2年振りのこと。前回はちょうど2年前のアジア競技大会の代表選考、場所もおなじ靫コートだった。硬式テニスでは代表的なサーフェースといえるハードコートだが、ソフトテニスでは誠にイレギュラー、特殊なコートと認識されているサーフェースなのだ。しかし国際大会ではごくごく普通のサーフェースともいえ、直近10年間の国際大会中4度(2004、2005、2006、2010)がハードコート(後はすべてクレー)。また向こう3年間(2012、2013、2014)もハードコートでの開催が予定されている。こうしてみると予選会以外でハードコートの試合がないのはちょっと異様なのである(これは韓国も同様)。毎年意識的にハードコートの試合が組まれても良いのでないか、という気がする(ずばりハードコート選手権という名がいいとおもう)。
ハードコートではバウンド後、ボールの減速が著しく、パワーとスピードで圧倒することが難しい。すなわち技量の差が勝敗に結びつきやすい。ある意味、ソフトテニスの本質がむき出しになるといえなくもない(インドアも時に遅いサーフェイスとなるが、代表的であるフローリングのウッドコートは極めて不安定でイレギュラーが多く、選手の集中を阻害という重大な欠陥がある)。
正直いえば、私はハードでの試合と聞くとわくわくするほどなのである。これは過去何度も書いてきた。クレー、砂入り人工芝にくらべてボールの視認性(プレーヤーも観客も)もダントツで、ことによるとこれが一番大事なことかもしれない(テレビ中継にしろライブ観戦にしろボールが見にくいということがこの競技はおおすぎる)。
男子はダブルフォワード全盛、すなわち篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ)全盛であり、ハードとなればさらにそれは強固となる。正直、対抗馬は見当たらず、あとはナショナルチームをメンバーを中心に横並びという印象だ。
昨年、その篠原・小林を劇的なファイナル勝ちでやぶり世界チャンピオンとなった菅野・中本(川口市役所・NTT西日本広島)は当然最強の対抗馬として名をあげたいところだが、それぞれ別のペアと出場。菅野は柴田、中本は村上とのペアになり、それぞれ興味深いペアリングといえるが、ペアとしての実績はほとんどなく、未知数といえよう。
とにかく男子では対篠原・小林、対ダブルフォワードという一点が注目で、ダブルフォワードにはやはりダブルフォワードなのか、それともなにか別の手だてがあるのか。日本の大会において対ダブルフォワードの有効な戦術がしめされたことはまだ一度もないといっていいが、今度のこそ、それが示されるのか。興味はそこにのみしぼられる。
男子ナショナルチーム(というよりは指定強化選手だが)は直前まで広島でキャンプをはっており、準備は万端。
女子は一昨年のアジア競技大会で初優勝したメンバー5人(杉本、上原、森原、佐々木、大庭)がやはり頭抜けている。とくに杉本・森原の充実振りは素晴らしく、篠原・小林同様、負けること話題になるほどだ。佐々木・大庭はその杉本・森原を世界選手権の決勝で破ったが、その後やや元気がない。しかし、NTT中本監督のピーキングにおける手腕はいつも見事であり、その攻撃的なテニスもハードコート向きであり、女子は2強といって差し支えあるまい。
初日の5月3日は雨が心配。