コラム

アジア選手権 日本代表選考

Imgp4392 今秋(11月)、台湾で開催される第7回アジアソフトテニス選手権(4年毎の開催)の日本代表を決める選抜大会が明日5月3日より三日間にわたり大阪市靫コートにて開催される。
アジア選手権の日本代表は男女ぞれぞれ6人。そのうち2人づつがこの選抜大会で決定(残りはナショナルチームより数度の合宿をへて選抜)。すなわち男女それぞれの優勝者が自動的に代表になる。選手が自力で代表権を獲得できるのはこの大会のみであり、当然、激しい試合が予想される。

靫コートのサーフェースはハード。日本でハードコートの大きなトーナメントが開催されるのは2年振りのこと。前回はちょうど2年前のアジア競技大会の代表選考、場所もおなじ靫コートだった。硬式テニスでは代表的なサーフェースといえるハードコートだが、ソフトテニスでは誠にイレギュラー、特殊なコートと認識されているサーフェースなのだ。しかし国際大会ではごくごく普通のサーフェースともいえ、直近10年間の国際大会中4度(2004、2005、2006、2010)がハードコート(後はすべてクレー)。また向こう3年間(2012、2013、2014)もハードコートでの開催が予定されている。こうしてみると予選会以外でハードコートの試合がないのはちょっと異様なのである(これは韓国も同様)。毎年意識的にハードコートの試合が組まれても良いのでないか、という気がする(ずばりハードコート選手権という名がいいとおもう)。

ハードコートではバウンド後、ボールの減速が著しく、パワーとスピードで圧倒することが難しい。すなわち技量の差が勝敗に結びつきやすい。ある意味、ソフトテニスの本質がむき出しになるといえなくもない(インドアも時に遅いサーフェイスとなるが、代表的であるフローリングのウッドコートは極めて不安定でイレギュラーが多く、選手の集中を阻害という重大な欠陥がある)。

正直いえば、私はハードでの試合と聞くとわくわくするほどなのである。これは過去何度も書いてきた。クレー、砂入り人工芝にくらべてボールの視認性(プレーヤーも観客も)もダントツで、ことによるとこれが一番大事なことかもしれない(テレビ中継にしろライブ観戦にしろボールが見にくいということがこの競技はおおすぎる)。

男子はダブルフォワード全盛、すなわち篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ)全盛であり、ハードとなればさらにそれは強固となる。正直、対抗馬は見当たらず、あとはナショナルチームをメンバーを中心に横並びという印象だ。

昨年、その篠原・小林を劇的なファイナル勝ちでやぶり世界チャンピオンとなった菅野・中本(川口市役所・NTT西日本広島)は当然最強の対抗馬として名をあげたいところだが、それぞれ別のペアと出場。菅野は柴田、中本は村上とのペアになり、それぞれ興味深いペアリングといえるが、ペアとしての実績はほとんどなく、未知数といえよう。

とにかく男子では対篠原・小林、対ダブルフォワードという一点が注目で、ダブルフォワードにはやはりダブルフォワードなのか、それともなにか別の手だてがあるのか。日本の大会において対ダブルフォワードの有効な戦術がしめされたことはまだ一度もないといっていいが、今度のこそ、それが示されるのか。興味はそこにのみしぼられる。
男子ナショナルチーム(というよりは指定強化選手だが)は直前まで広島でキャンプをはっており、準備は万端。

女子は一昨年のアジア競技大会で初優勝したメンバー5人(杉本、上原、森原、佐々木、大庭)がやはり頭抜けている。とくに杉本・森原の充実振りは素晴らしく、篠原・小林同様、負けること話題になるほどだ。佐々木・大庭はその杉本・森原を世界選手権の決勝で破ったが、その後やや元気がない。しかし、NTT中本監督のピーキングにおける手腕はいつも見事であり、その攻撃的なテニスもハードコート向きであり、女子は2強といって差し支えあるまい。
初日の5月3日は雨が心配。
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篠原秀典・小林幸司 鬼門突破なるか!?全日本インドアプレヴュー 

Imgp6117上画像は2010アジア競技大会ダブルス準決勝での篠原・小林。この広州アジア大会を経て一つ上のステージにあがった事は間違いない。

全日本インドア 2月6日 大阪市中央体育館 地下鉄朝潮橋下車徒歩5分

Imgp3644 インドアシーズンもいよいよ大詰め、今週末(2月6日)は全日本インドアである。毎年2月の第一日曜に大阪市で開催されるこのインドアは日本最古のインドア大会であり、同時にインドアの最高権威とされる。日連主催であり、秋に開催される天皇、皇后杯全日本選手権とともに日本一を決める大会なのである。インドアのチャンピオン決定戦といってもいいだろう。出場資格はその年度(シーズン4月〜)の成績(ランキング等)が厳格に適用されるのでマスターズ的な存在といってもいい。競技生活をおくっている強者たちがまずこの大会への出場を目標として口にするとこともたびたびだ。

一般的にインドア大会というと集客力があるので、一種顔見世興行ともいえる祝祭的な性格をもっているのだが(その代表が東京インドア)、この全日本インドアはそんななかにあって選手権としての色合いがかなり強い。アウトドアの大会で感じるようなシリアスなムードが漂っているのである。

Imgp8157 男子 中堀・高川(NTT西日本広島)がなんと過去8回の優勝(1996、1997、1999、2000、2001、2002、2004、2008)していて2位以下を大きく引き離している。天皇杯9回優勝と合わせて17度の日本一、トータルでも個別でも不滅の大記録である。今回もランキング一位としての出場で第一シードだが、このインドアシーズンはここまでもう一つの成績。このペアとしては今冬限りという噂もあり、その勇姿をいつまでもまぶたにとどめておきたいものだ。

Imgp9648 優勝候補は第二シードの篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ☜左画像は昨年度の全日本インドアより)。このペアのここ数年のの国内大会での勝ちっぷりの凄さは何度も書いてきた。それをコンピューターにぶちこめばぶっちぎりの優勝候補としてはじき出されてくるだろう。しかし、だ。この全日本インドアでは昨年の2位が最高。このペアは天皇杯も未勝利であり、誰もがみとめる圧倒的な実力もち、また実績をあげながら日本一の肩書きには無縁なのである、いまのところだが・・・そんな彼らがどう戦うか興味はそれにつきる。

なんか昨年も同じようなことを書いたなあ、と思い確認したらほぼ同じ、そちらも参考までに(ここ)。
この昨年の駄文では、篠原・小林の張りつめたような厳しさに言及しているが、今冬はちょっと違う印象をうける。なんとなく、だが余裕がでたというか、いい意味で遊びが出てきた感じがする。いうまでもなく強くなったのである。

対抗馬としては早川・向井(学連-立命館)をあげたい。天皇杯での準決勝進出でいきなりトップにおどりでてきたが、東京、名古屋のインドアでも目覚ましい活躍をみせてくれた。生半可なダブルフォワードではない。注目である。

Imgp4934 女子は混沌、ずうっと最近はこう書いている。有力ペア、実力者は多数だが、だれが勝つか予測は難しい。佐々木・大庭(NTT西日本広島)、杉本・森原(東芝姫路)、上原・平田(ナガセケンコー)といった代表クラスはたしかに頭抜けているが、完璧ではない。むしろつけいるスキがいっぱいある。いつもながらの白熱した戦いがみられそうである。

東京インドアを豪快なテニスで制した逢野・海江田(NTTドコモ四国・ヨネックス)にも期待したい。

→右画像はアジア競技大会での上原絵里(ナガセケンコー)。2008アジア選手権、2010アジア競技大会のダブルスにペアを変えながら優勝し、アジアのダブルスタイトルを独占。掛け値無しにアジアの女王といえるだろう。ということは大本命は彼女ということになる。しかし他では勝ちまくる彼女も皇后杯とこのインドアは未勝利という不思議な結果になっている。4年連続の3位というのも凄いが・・・。(皇后杯とともに)決勝進出もないのである

歴代優勝者 男子 女子

以下に出場選手 アジア競技大会代表は無論全員が出場。

男子

中堀・高川(NTT西日本広島)
篠原・小林(日体大桜友会・ミズノ)
早川・向井(学連-立命館)
鬼頭・川村(山口教員クラブ・宇部興産)
鹿島・中本(学連-早稲田)
上嶋・足利(西文明堂・クラレ)
林田・井口(学連-日体大)
水澤・岩崎(NTT西日本広島)
稲積・塩嵜(日体大桜友会・東京電力)
堀・長江(NTT西日本広島)
小田・今井(学連-日体大)
清原・林(大阪開催地枠 上宮高校)

Imgp9643昨年3位の鹿島・中本(学連-早稲田)。中本は一昨年のチャンピオンだ.

 

女子

佐々木・大庭(NTT西日本広島)
杉本・森原(東芝姫路)
上原・平田(ナガセケンコー)
逢野・海江田(NTTドコモ四国・ヨネックス)
宮代・神谷(学連−東京女子体育大)
水松・東海(学連-日体大)
柏原・野田(学連-神戸松蔭)
深澤・宮下(東芝姫路)
高橋・山下(山口県体育協会)
柴崎・嘉数(東芝姫路)
安川・渕田(学連-早稲田)
田中・足立(大阪開催地枠 枚方信用金庫)

Imgp8432 皇后杯優勝で第一シードの佐々木・大庭(NTT西日本広島)。成績にムラががあるが、それがまた魅力である。

筆が重い? 広州アジア競技大会レポート

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                 中国戦での小林幸司(日本)
アジア競技大会レポート、やや筆が重くなってきた・・・というよりはやや雑事にかまけているというところ。また、さまざまなところから依頼されたアジア大会関連の資料やらなんやらの製作がようやく一段落したところ(あと少しです)。皆さん遅くなりもうしわけありません。なかには今後のナショナルチーム合宿で使用されるものもあり、お役にたてればなりよりです。
レポートはいよいよ団体戦最終日に移る。書きたいこと伝えたいことはたくさんあるが、また書けないこともおおい。そのジレンマに苦しむ?日々・・・。それにしてもデイリーレポートというスタイルをとったことがどうもまずかったような、どうしても先走りたくなってしまうのである。試行錯誤しながら進むことします。Cimg1021会場の天河運動公園付近。右手のオレンジのテント群は入場者のためのセキリュティチェック。
Imgp1882Imgp1906Imgp1916Imgp1940この四枚は大会前日の日本選手の調整風景。

デイリーレポート13日 その7 韓国vs.台湾 part-3  広州アジア競技大会レポート

勝負はついに3番勝負に。

国別対抗が3組点取り戦になって以来4度目となる韓国vs.台湾。その全てが3番までもつれている。一番台湾、二番(シングルス)韓国、という展開も全く同じ。Imgp3078

Imgp3098a 韓国は韓国代表決定戦(韓国予選)二位のイヨン・チヨンミン、台湾は台湾代表決定戦一位のリン・リュウ。韓国ペアはともに国際大会初出場になる。

イヨン、チヨンミンとも質のいいカットサーブを持ち、オールラウンドにプレーをこなす、が、イヨンはシングルシャフトのラケットを使用し、(本来ベースライナーであるイヨンが)最初からネット際にポジションすることも少ない。セカンドサーブは両名ともオーヴァーヘッドということがおおく、(ダブルフォワードという点では)ベウオンソン・キムテジュンほどの徹底振りはなく、やや中途半端といえなくもない。積極的なダブルフォワードではなくて、ダブルフォワード対策としてのダブルフォワードにもみえる。

ゲームは大接戦だが、台湾のリン・リュウが終始押し気味の展開、特に前半は韓国ペアが国際大会初出場ということで、そのかたさが感じられ、リン・リュウが最初の3ゲームをあっというまに奪う。しかしそこからイヨン・チヨンミンが必死で食い下がる。ゲームカウントは台湾ペア3−0のリードから3−2、4−2、ファイナルと推移。Imgp3073_2

Imgp3075 前のめりのボジションから、古典的な雁行陣、ベースライン平行陣、そこからの猛烈なネットダッシュ、大きなロビングでふたたびベースラインへ、と、陣形はめまぐるしく変化し、超モダンな高速展開に息もつかせない。

イヨン・チヨンミンは、大きくリードされた後半では特に引き気味のポジションをとる。リン・リュウはどん欲にネットをとろうとし、韓国はそれをなんとか阻止しようと技とつくす、両者必死の攻防である。

韓国ペアの大きなロブが効果的、またアングルショットまぜ、じりじりおいあげる。しかしそのロブの効果を韓国ペア自体が感じ取れないのか、徹底しきれない。

Imgp3081 ファイナルは韓国ペア2−0のリードからリン・リュウが一気に5ポイント連取。

イヨン・チヨンミンはサーブアンドボレーでたたかれ、またせっかく雁行陣に持ち込んでも自らじれてミスとやや一方的。最後もリンのあらっぽいサーブアンドボレーが豪快に決まり幕。

リン・リュウ 5 (4-2,4-0,5-3,3-5,1-4,4-1,3-5,2-4,7-4) 4 イヨン・チヨンミン

試合終了は22:00(現地時間)過ぎ。明日にそなえて日本男子スタッフも最後まで観戦。

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謎の男登場 デイリーレポート13日 その6 韓国vs.台湾 part-2  広州アジア競技大会レポート

ヤン・リー快勝で台湾一勝のあとのシングルス。台湾は郭家瑋、韓国はイヨハンともに国際大会初出場の学生選手である(郭は台北体育学院 イヨハンはテグカソリック大学)。

Cimg1371_2 さてイヨハン(←)はプレヴューでも書いたように謎の男だった。とにかく実績がなくて情報がない。韓国予選取材時はスケジュールの都合でシングルスを最後までみることができなかったためだ。代表までありそうな(つまりシングルス予選で優勝しそうな)強豪はだいたいわかっているつもりだったので、有力選手の写真は予選リーグの時点で押さえてあった。それもかなり間口を広くして撮影したつもりであったのだが・・・。

韓国は2007年の世界選手権男子シングルスでベスト4独占している。2008アジア選手権ではベスト4に二人。その6人ともユニークつまりダブりがない。韓国にはシングルス強豪がひしめいている。そんななかで有力と思われる選手すべてをおしのけて代表を勝ち取ったとことになる。

Cimg1368 今回、日本、台湾ともシングルスではアジア競技大会いや四大国際大会初出場の若手(中本、郭)が出場した(郭は台湾シングルス予選優勝)。年齢もほぼ同世代(イヨハンが一番年少)だが、中本、郭ともにある程度キャリアをつんでいる。中本はチャイニーズカップ等の活躍で国際的な知名度も高いし、郭(→)は2008中山盃国際大会、2009台湾国体(王、林等国際大会タイトルホルダーが出場)でもともにシングルス優勝、今年のチャイニーズカップ団体優勝時はシングルスで全勝と代表に勝るともおとらない実績である。ヨハンにはそういうのが、全く、ない。ただ韓国ではこういうことが時々起こる。思えば4年前のドーハ大会がそうだった。ドーハのシングルス予選優勝はナンテクホ。それまでの実績は皆無だった。ただあの時はシングルス予選まで取材したので、彼が強豪を倒して予選を勝ち上がるさまをつぶさにみることができた。そういえばナンテクホもテグカソリック大の選手であった。現在はソウル市体育局所属(ソウル市庁)。2008年シングルス予選で優勝し、そのままアジアチャンピオンになったキムドンフンもテグカソリック大。過去4回の国際大会シングルス予選中3回にテグカソリック大の選手が優勝したことにになる。

Cimg1376 ゲームは終始、イヨハンのペース。韓国選手らしいオールラウンドな打球技術がベースにあるが、かといって韓国シングルスの主流というか、特徴といってもいい、マッチョなそれではない。彼はダブルスでは前衛をつとめる選手ということもあってか、強打強打で押しまくるということがないのである。むろん速いボールはあるが、それ主体ではなく、プレースメントを大切にし、さまざまな球種(スピン)を繰り出し、知的にゲームを構築してくる軟投派のシングルスである。まあほtんど予想通りのテニスであった。

一方郭はサウスポーということをのぞいては極めてオーソドックスなスタイル。パワフルではないが、ドライブボールを基本とし、ときどきカットボールを混ぜてくる。ただ、やはりサウスポーというのは大きな武器である。サウスポー独特の『懐』を良く知っていて生かせる選手だ。

G3-1とイが大きくリードし、テニスが大胆に、つまり仕掛けが増えテニスはおもしろくなるが、、当然リスクが増大、そんななかで郭が粘り腰をみせ4-2,8-6と盛り返し、ファイナルに。この直前のフィリピン戦で破れ落ち込んでいた郭だがさすがに力をみせる。ファイナルはふたたびヨハンのペースになるが、最後は8−6でイヨハン。紙一重の勝負となったが郭にマッチはない・・・・いずれにしてもシングルスはつまらない。しかけたほうが必ず苦しくなる。テニスが縮みがちになってしまうのである。

イヨハンはこの日から4日後の個人戦シングルスで金メダルを獲得。韓国男子としては2大会振り二人目の金メダル。四大国際大会ということでは3大会連続12回目の優勝ということになる。4大国際大会では計15回シングルス個人戦が競技されているが、その内の11回が韓国の優勝。残り4回が台湾である。15回中ハードコートでは6回開催されており、そこでの成績はイーブン、つまり韓国、台湾ともに3勝ずつということになる。日本の優勝は残念ながらまだない。

デイリーレポート13日男子団体戦stage-1その5 韓国vs.台湾 広州アジア競技大会レポート

韓国vs.台湾。何度も書くようにアジア競技大会では2大会振り(八年振り)、四大国際大会ということでは4大会振り(5年振り)に実現した。STAGE-1(予選リーグ)最終戦、ここまで両国とも全勝であり、すでにstage-1突破は決定、つまり勝敗に関わらず翌日の準決勝に進出することは確定している。しかし、勝てば準決勝の相手は中国であり、今年の中国チームの力なら、決勝進出は確定といっていい(銀メダル確定だ)。負ければ日本と決勝進出を賭けて戦うことになる。つまり消化試合どころか準決勝に匹敵する大試合ということになる。ドーハでは日本vs.台湾という予選最後の大一番があった。日本は敗れ、韓国との準決勝にまわっている。Cimg0977 ↑は前日練習での韓国男子

この2国(韓国、台湾)、21世紀はいってから5回対戦しており台湾の3勝2敗。現在台湾が3連勝中(2003広島世界選手権、2004チェンマイアジア選手権、2005マカオ東アジア競技大会)、台湾のあげた3勝は何れもハードコート。3戦すべてが最終戦までもつれ、いずれもシングルスで韓国が一点獲得という点まで同じ展開、つまり台湾はダブルスで全勝して3連勝した(2003、2004、2005)。その6勝中5勝までがダブルフォワード、しかもダブルフォワードだった5人(のべ10人)のプレーヤーの内、いわゆる後衛として育った選手は王俊彦だけであとの4人(ファントゥンシン、リュウチャルン、リーチャーホン、イエチャリン)は本来はネットプレイヤーとして鍛えられてきた強者ばかりだった。つまりダブル前衛によるダブルフォワードだったのである。2004年リュウチャルン・リーチャーホン、2005年のイエチャリン・リーチャーホンである。無論、王俊彦もハードコートではまったく後衛の面影は残さず、生粋のダブルフォワード野郎としてふるまう。(誤解してほしくないのだが、そういう選手を選抜してチームをつくったわけではない。台湾は代表の全てをオープン予選で決定する。予選の結果だけが全てだ。今回もダブルス予選を2回、シングルス予選を一回おこない、その優勝者がそのまま代表となっている。毎回そうである。つまり予選を勝ち上がった選手がオールラウンダーだったということである。選手選考に関しては韓国も同様。両国ともに日本的な意味でのナショナルチームは存在しない)

韓国は2003の決勝でヨンドン、キョンハン、バンジュンを擁し、しかも個人戦で完勝(上位を独占)しながら、台湾にまさかの敗戦を喫した(団体戦決勝のみハードコートだった)。この団体戦の3番勝負でダブルフォワードが登場したのである(王・趙)。

韓国人にとってアジア五輪よりも大切な世界選手権でのまさかの敗戦。しかもだれがみても最強メンバーだった釜山(アジア五輪)、広島(世界選手権 個人戦のみ)での圧倒的な勝利のあとのこの一敗は衝撃であった、なにしろ台湾は若手の集団、ファントゥンシン以外は全員が20歳そこそこの新人だったのである。

韓国は翌年からの日本より一年早くダブルフォワードに取り組み、国際大会に臨む。2004アジア選手権ではキムジェボク・パクチャンソクがはやくも個人タイトルを獲得。これは本格的なダブルフォワードとしては世界初の個人タイトルといえ、本家台湾より先んじたことになるわけだ。1985世界選手権優勝の劉・頼もダブルフォワードだ、という意見は当然あるとおもうし、こころのなかではそれに同調したい。

しかし、団体戦ではほぼ勝利を掌中にしながら信じがたいミスジャッジで惜敗、このミスジャッジはまさに歴史的なミスジャッジといえ、これがなかったら今の男子テニス界は全く違う様相を呈しているのでは、とおもえるほど。この敗戦が響いたのか、翌年以降の韓国男子は大崩れ、マカオ(東アジア五輪)、ドーハ(アジア五輪)でいいところなく大敗した。ドーハでの監督はキムジェボク・パクチャンソクを育てたテグカソリック大の監督であり、彼の手腕、それにヨンドンの復活と胸おどるテニスを期待したが、テニスも無惨、結果も無惨であった。

以降2007、2008と舞台はクレーに移り、当然のようにそこは韓国の独壇場、男女合わせて二年間でのべ14の種目中12の金をかっさらう・・・・という経過がある。

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さてオーダ。

Cimg1355 台湾 NO.1ヤン・リー NO.2クォ NO.リン・リュウ。今回このオーダで不動。

韓国 NO.1ぺ・キム NO.2 イヨハン NO.3イヨン・チヨンミン。シングルスはイヨハンで不動。ダブルスはここまで1番と3番を交互に入れ替えてきたが、このオーダが本命だろう。

トップ ヤン・リー vs.ペ・キム。いきなり胸躍る今大会の目玉ペア同士の対戦である。ヤン・リーとキムテジュンは2007アジア選手権でも対戦。キムテジュンのペアは韓国一の天才児イゾンウだった。その時は韓国ペアが5−2で勝っている。ヤン・リーにいいところは全然なかったように記憶している。

Imgp3066 韓国のサービスからスタート。出足からヤン・リーの気迫が凄い。最初から久々にみる前のめりのヤンリーである。かたさはあるがやることがふっきれている。一方、韓国ペアはぺウオンソンががちがち、特に第一ゲームは手が縮んでテニスにならない。クィックネスもまるでない。一本目のショートボールの処理をミス、次はクロスロブを大きく放り出す。ボレーも二本浮かし、と、がたがた。キムテジュンはそんななか落ち着いてボールをさばき切れもよかったがどうにもならない。

Imgp3059 チェンジサイドでペウオンソンが落ち着き、ラケットが振れだす。激しいゲームになり競り合いとなるが、ぐいぐいポジションをつめてくる台湾ペアに韓国ペアは終始退き気味でプレーせざるを得なくなり、防戦一方、その限りにおいてはうまいしいいプレーも多々有るが、自分たちのテニスではない。あくまでヤン・リーのペースでゲームは進む。Cimg1342 第二ゲームでペ・キムは2本あったゲームポイントもいかせず。リードしたヤンリーはだんだんに堅さがとれて、超攻撃的ななかにも融通無碍、と手がつけられない強さをみせはじめる。これほどいい状態のヤン・リーはドーハ以来である。3−0の台湾ペアリードから韓国ペアは1ゲームかえすのが精一杯だった。大きく先行したヤン・リーに勝てるペアなどたぶんこの世に(いやあの世にも)いないだろう。5−1でヤンリーの圧勝。

ただスコアほどの差はないというか、特にキムテジュンの手堅たく冷静なプレーは切れもよく、まずまず。ペウォンソンの立ち上がりがいくらなんでも悪すぎた。

Imgp3055

両親の為に家を・・ヤンシェンファ  広州アジア競技大会レポート

台湾報奨金話の続き・・・楊勝發(ヤンシェンファ)は690萬元を獲得、李佳鴻と額がちがうのはミックスダブルスがあるから。ヤンはミックスには出場せずシングルスで銅メダルを獲得している。ヤンの内訳は団体金300萬、ダブルス金300萬、シングルス銅90萬となる。
ヤンは賞金の使い道について、故郷の両親のために家を建てたい、とのこと。

劉家綸は390萬元、林鼎鈞と郭家瑋はともに300萬元を受け取っている。Imgp5293_3

奨金王 リーチャーホン! 広州アジア競技大会レポート


Imgp4813_2 『奨金王 李佳鴻!』これは台湾マスコミがつけた呼び名である。賞金ではない。李佳鴻(リーチャーホン)が今回手にした国家からの報奨金は計750萬元。日本円にすると現在の為替レート(超円高レートだ!)ではざっと2100万円(通常時のレートなら3000万円)ということになる。これは今回のアジア競技大会台湾選手団全体(全種目)の最高額なのである。レート計算はあくまで単純計算であり、台湾の物価を考慮すれば一億円近い額といえるかもしれない。ちなみに台湾は広州アジア競技大会でテコンドー、テニス、陸上等で13の金、16の銀、38の銅を獲得)

それだけではない。台湾ソフトテニス史上でも一人の選手が一つの大会で獲得した賞金としては最高額となるはずだ(ワンスーチンが1999年の世界選手権で二冠獲得--女子団体--女子ダブルス--時に手にした600萬元が今までの最高額)。750萬の内訳は団体金300萬、ダブルス金300萬、ミックスダブルス150萬、である。

750萬(つまり¥21.000.000強)という額は国際的にみてもソフトテニス選手が一つの大会で手にしたマネーとして史上最高は間違いあるまい。トータルではおそらく廖南凱(台湾)が最高額か?

彼は歴史になりつつある。

気になる使い道だが、とりあえず貯金!?とのこと。


Imgp7042_2 大会最終日ダブルス優勝後のプレスカンファレンスでのリーチャーホン、ヤンシェンファ。彼らは2006ドーハ大会でもそれぞれ450萬元獲得している。これは当時のレートなら1500万円ほどになる。

ベストショット 杉本瞳・森原可奈 広州アジア競技大会レポート

Cimg120413日撮影分ベストショット候補。これは女子団体戦stage-1 vs.台湾でのシーンである。

優勝候補だった男子と違って、台湾女子はやや力不足とみられ、実際に不完全、未完成なチームだったが、そんななかで名将黄監督は乾坤一擲の勝負を挑んできた。特に分かれ目となったのはトップの杉本・森原vs.韓佳玲・張文馨。一進一退の大接戦。2番のシングルスには絶対といえるジャンワンチーが控えているので手に汗にぎる試合となった(6-4,2-4,3-5,4-1,4-2,2-4,4-1,7-5)。この写真はそんななかで必死に耐える杉本・森原というワンシーンである。

5月のオープン予選で優勝し代表獲得、アジア競技大会自力出場を果たした杉本・森原(東芝姫路)だが、本大会にはそのペアででられない、という日本としては例のないこととなった。団体戦はともかく個人戦でのペア解体は異例中の異例であり、当然、さまざまな論議をよぶことであろう。その是非はともかく、このペアの胸中はいかばかりであったか。そんななかでこの韓佳玲・張文馨戦の勝利は価値ある仕事であり、杉本・森原として大きな存在感を示した一勝となった。

格闘・・・・ 広州アジア競技大会レポート

広州から帰国して一ヶ月が過ぎてしまった。にわかに信じがたい。まだ私のなかでは大会は全然終わってなくて、アジア大会と格闘する日々である。厖大な資料の整理だけで一ヶ月すぎてもまだおわらない。さらに先週末より風邪とも格闘するはめになり、大事な週末をつぶしてしまった。うなされながらも書いた原稿は熱っぽいだけでつかえそうもなく、こんな原稿でお茶を濁していてる始末である。なんとか動画を一本アップ。

キムテジュンは最近出来てきた選手のようにみえるが、現在34歳、ベテランである。現在の韓国を代表するネットプレイヤーといっていい。3トップ(ヨンドン、キョンハン、ヒースー)と比べるといかにも地味な存在だが、その堅実さ、高度なスキルは間違いなく超一流の域に達している。以下の2008NH OPENでのvs.松口・小林ではそんな彼のいぶし銀のプレーをかいま見ることができよう。

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