メダル考 その2 ビッグプロジェクトが・・・ 広州アジア競技大会レポート
メダルというか総合順位についての雑感のつづき。韓国が総合一位というのは現場の空気とはまったく違う。現場では韓国大負けというか薄い存在だった。そんななかでの総合一位、あれっ?という感じとでもいおうか。金の数は同数、しかし銀で大きくリードしての総合一位。総数でもよせつけていないのだが...やはり団体戦での敗戦はイメージが悪い。女子は過去4大会全勝なわけで団体戦で金がとれなかったことはいままで一度もなかったことだ。ダブルスは2大会連続で金がとれなかった。獲得した2個の金も内訳が地味だったか(ミックス、男子シングルス)。右画像は中国戦での韓国女子と張監督。国際大会でのメダリストをずらっとそろえていたのだが...まさかの銅メダルに終わった。
2010 GUANGZHOU | G |
S |
B |
T |
1.KOR | 2 | 4 | 4 | 10 |
2.TPE | 2 |
2 |
3 |
7 |
3.JPN | 2 |
1 |
4 |
7 |
4.CHN | 1 | 0 | 3 | 4 |
実はイメージがわるいどころではない。大韓庭球協会は今回凄いプロジェクトを広州に持ち込んでいた。KBS(韓国国営放送)が、ここは韓国のNHKといっていい韓国最大のメディアだが、そこが団体戦の決勝を生中継するというわくわくするようなビッグなものである。センターコートにはKBSのプロデューサーも早い段階で訪れ、準備は万端(それには私もかり出され日本選手と台湾選手のプロフィールを、嬉々として、作成したものである)。
但し放映には条件があった。当たり前だが韓国が決勝に進出すること、である。これは韓国にとってそれほど困難な条件ではなかったはずだ。1994広島、1998バンコク、2002釜山とすべてで男女とも2位以内(釜山は総当たりのリーグ戦)。2006ドーハでは男子が3位だったのものの、女子は優勝(女子は過去4大会総てに優勝している)。実に男女のべ8回中7度決勝にでているのだ。いままで韓国が決勝にいないことはなかったのである。まさか今回どちらも決勝に残れないとは・・・ 男子団体準決勝 日本vs.韓国 中堀・高川と対戦する韓国のエース ペ・キム。彼らが終始かたく不調、大きな誤算だろう。韓国男子は日本戦、台湾戦とも紙一重の差で惜敗。韓国男子が同じ大会で日本、台湾両方に敗れるというのはここ最近記憶にない。ぺ・キムは個人戦でも相変わらず硬かったが林・劉(台湾)、中堀・高川を問題にせず退け決勝に進出。地力の高さを示した。
韓国は2008年のアジア選手権でもKBS生中継を実現している。これも日本でもいまだ実現していない。また現状では考えられないことだったが、今回は衆目度が比較にならないアジア五輪。隣国とはいえ生中継があるということを私も率直に喜んだものだが、まさかの展開に、ライバル国とはいえ複雑な心境である。実現していればレベルの高い映像が遺産として残されることになるのだから。 それは何物にも代え難いものである。 ちなみに団体戦の中継は台湾も行っており、中継カメラをおくりこまなかったのは日本だけということになる。もちろんスポットで取材陣は多数やってきたし、国内でもニュース映像が流されたようでその反響はすぐに会場にもとどいた(左画像はテレビカメラの要請にガッツボーズで応える日本女子決勝直後のミックスゾーンで)。そのささやかな報道を率直に喜ぶ関係者をみてまたまた複雑な気持ちになる。なぜ日本の放送局は中継しないのか?ということだ。この日本発祥のスポーツをなぜこれほどまでに軽んじるのか!その見識の低さときたら・・・・オリンピック種目の競技の選手にとってアジア五輪の位置づけは微妙であり、種目によっては2軍と目される代表も散見される。しかしソフトテニスは掛け値なしの頂点のプレーヤーがしのぎをけずる大会であり、ここを外してどうする、と怒りはとどまるところを知らない。話がそれた。KBSはダブルスの決勝中継も計画し、韓国が優勝すれば放送ということになったときいた。残念ながら男女とも銀に終わってしまい、おそらく中継はなかったに違いない。
国別対抗団体戦メダルセレモニー。メダルセレモニーにはソフトテニス界の要人が次々に登場。トップをきったのは海部俊樹アジアソフトテニス連盟会長(日本ソフトテニス連盟会長でもある)。海部会長が海外での大会にこられるのははじめてではないか?元内閣総理大臣である海部会長には常に屈強のSPが付き添い物々しい雰囲気。 男子金メダルの授与。リュウチャルン(台湾)と談笑する海部会長。どういう内容なのかそもそも何語なのか結構長い時間話されていて、表彰式なかでも印象的なシーンとなった。
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