2010国際熊本大会プレヴュー
インドアシーズンもいよいよ大詰め。国際熊本大会(通称熊本インドア)がその掉尾を飾るにふさわしい豪華な顔ぶれで28日熊本県立総合体育館 にて開催される。特に女子は世界チャンピン、アジア五輪チャンピオンが顔を揃え、このようなことはインドアでは例がない。江婉埼(台湾)は来日そのものが稀で、個人戦のインドアで初めてである。アジア五輪ゴールドメダル(2006ドーハ大会)というソフトテニス界最高位に昇りつめた選手としてはにわかに信じ難いことだが、ソフトテニス界は誠に不思議なところなのだ。あの金智恩(世界シングルスチャンピオン)にシングルスで勝ち越しており(これはとんでもないことだ)、シングルススペシャリストといえるかもしれないが、NHOPEN2008(ソウル)では佐々木・堀越ら日韓の強豪が揃うなかをダブルスでも優勝しており、そのユニークなうまさは比類がない。NHOPENはハードコートであり、アジア五輪(ドーハ)もそうであったことを考えるとハードコートのスペシャリストといえるだろう。ペアは札幌にも出場した朱。
一方、金璟連(キムキョンレン)、来日は結構おおいが招待インドアとしては2度目。世界チャンピオン、アジアチャンピオンのタイトルを引っさげてのインドアは初めてである。2007年地元アンソンでの世界選手権優勝後、2008年のアジア選手権を最後に引退との声もあったが、2009年もペアは変わったが現役を続行、7月の大統領旗にダブルス、シングルスの二冠、秋の国体でも優勝して力は健在だ。がむしゃらにのぼりつめていった感のある2007までの彼女にくらべると、やや勢いは衰えた感もあるが、それはたぶん円熟ということなのだと思う。フォア、バックともその美しく独創的かつ正確無比なスキルは現在世界最高、それも並ぶものが無いダントツのトップである(左動画は金璟連のオープンスタンスフォアハンド)。余談だが、シングルス世界最高峰の選手が二人もそろったのだからシングルスのエキシビションマッチがあってもよかったかもしれない。
韓国男子の許京鎭(ホキョンジン)もシングルスのスペシャリスト、韓国を代表する肉体派?である。小柄ではあるが鍛え抜かれた肉体からのパワーテニスは日本には全くいないタイプである。2007年の世界選手権シングルス3位。NHOPEN2009シングルス優勝。ダブルスでは今回のペア鄭光碩とのダブル後衛による雁行陣で活躍している。つまり二人のベースライナーによるダブルスなのだがベースライン並行陣ではなく、雁行陣をベースにオールラウンドなテニスを行うユニークなペアである。鄭光碩は国際大会未出場ながら、劉永東とアジア五輪最終予選にでたこともある名手であり実力は折り紙つきのベテランだ。
台湾男子は2008アジア選手権代表となった張・蘇。台湾国内では楊・李につづく地位を着実に固めつつあるが、国外ではまだ結果がでない。台湾国内での強さをみると不可解だが、強さが見えないのも事実である。殻を破るか?
日本からは先日、全日本インドアで優勝したばかりの稲積・井口(日体大)。昨秋の天皇杯で準優勝してからの充実ぶりには目を見張らされるものがある。4年前のインドアチャンピオン森・日野も熊本初登場。このペアの爆発力のすさまじさはその4年前の全日本インドアで証明済みだが、最近はやや不発気味、このへんでもう一度盛り返してほしいところ、彼らの世代ががんがんでてくれば男子はすばらしく充実することであろう。
女子も皇后杯ファイナリストである東田・藤本(東芝姫路)と山口・山下(東京女子体育大)がともに出場。大型ペア山口・山下はペアとしてのラストゲームとなる。
会場は熊本県立総合体育館
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